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March 28, 2005

朝は「あけぼの」、昼は「春霞」で、夜は「おぼろ月夜」かな?

mano_huji2.22

『 枕 草 子 』 に、春は、あけぼの。夏は、夜。秋は、夕暮。冬は、つとめて。雪の降りたるは、いふべきにもあらず。
と四季のいいとこが書かれてあります。
この「あけぼの」とは、夜がほのぼのと明ける頃のことで、夜空がほのかに明るんで暁(あかつき)の終わり、夜明け前のことを言うそうです。
従って、春はこの「あけぼの」がいいと言っているのですね。
しかし、またこの季節、朝のうたた寝が非常に心地よくて、なかなか布団から這い出せないという方も多いのではないでしょうか?
“春眠、暁(あかつき)を覚えず”とは、本当によくいったものです。
その内に昼となり起きるとこれまた「春霞」です!
春は「かすみ」の季節ですね。
「霞か雲か」といわれるように、遠くの景色がかすんで、まるで薄雲がかかったような景色になることがあります。
雲は小さな水滴が空気中に浮かんだ状態で、霧や靄(もや)と同じだそうです。
水滴の数が多くて、見通しが悪く、見通せる距離が1km未満になると霞(春)、または霧(秋)と呼ばれ、1km以上だと靄(もや)になるそうです。
 また、地上付近に漂っているのが霧や靄で、高いところにあるのは雲になるのだそうです。
この霞は昼間の呼び名で、夜には朧(おぼろ)と呼び名が変わります。
小学校のときに習った「朧月夜」という歌が、懐かしいですね。

『おぼろ月夜』 作詞: 高野辰之 作曲: 岡野貞一
奈の花畑に 入日薄れ
見わたす山の端 霞ふかし
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し

里わの火影も 森の色も
田中の小径を たどる人も
蛙の鳴くねも 鐘の音も
さながら霞める 朧月夜

「おぼろ(朧)」というのは、
ぼうっとしてハッキリせず、ぼんやりとかすむさまをいいます。
春の夜空に浮かぶ、ほのかにかすんだ月をおぼろ月といいます。
特に桜がおぼろ月に照らされた姿は、優雅で柔和、正に幽玄の美しさを放ちます。
西洋の諺にも、「春は三日月のくぼみに水が溜まり、霞がかかって朧月夜となる。」といわれているそうですよ!

新古今和歌集の歌
「照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の おぼろ月夜に しくものぞなき」 大江千里(おおえのちさと)
強く照るでもなく、かといって陰るでもない、春のおぼろ月の夜に勝る景色はない、という意味です。

古今和歌集の歌
「春霞たなびく山のさくら花 うつろはむとや 色かはり行く」  讀人しらず
  春霞にたなびいている山に咲いている桜の花は、次第に色が変化している、散ろうとしているのであろうか。

「やまざくらわが見にくれば春霞峰にもをにもたちかくしつつ」  伊登内親王
  山桜をわざわざ見に来たが春霞が峰から麓まで一面に立ちこめて見せないようにかくしていることよ。

「みわ山をしかもかくすか春霞人にしられぬ花やさくらむ」  つらゆき
  春霞は三輪山を隠している。隠すところを見れば、人目にふれない花でも咲いているのかな。

などの和歌も有名ですね。

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